E.W.S. Tri-logic(読みはトライロジックでいいみたい) Bass Preamp Ⅲというペダルをゲットしました。
ご覧の通り、ツマミもスイッチも多いです。
3バンドEQに加えてミドルのフリーケンシーまでは今どき珍しくもない?ですが、ローとハイの帯域切り替えスイッチ(それぞれ40Hz/80Hzと4KHz/8KHz)までついているものは中々ないかと。
更にマスターボリュームと入力ゲイン、最大ブースト+18dBのクリーンブーストモードと+26dBのハイゲインモードの切り替えスイッチに加え、内部には9V⇄18Vの昇圧スイッチ(電源は9VでOK)、入力PADスイッチまで…
どこまでも歪みを抑え、クリア且つワイドレンジにブースト及びイコライジングできる恐ろしい設計です。
加えてEQツマミがセンターのときのニュートラルさも凄まじい。
すべてのEQツマミがセンター時には、音色の変化はほぼまったくありません。
http://www.ews-japan.com/pdf/manual_TriLogic3.pdf
サンズやらMXRやらEBSやらEDENやら、色々優秀なプリアンプはありますが、それらに勝るとも劣らない非常に優秀なプリアンプ/EQです。
XLRアウトこそありませんが、これが所謂MXRサイズに収まっているってすごすぎです。
しかし自分は、この「歪みを抑える」仕組みを逆手にとり、なんと「精密EQ付きオーバードライブ」として使用しています。
内部スイッチは駆動電圧9V、PADスイッチオフ、表のブーストはハイゲインモードと、本来ヘッドルームに余裕を持たせて歪みのないクリアな信号を出力するための仕掛けは全てスルー。
そんな設定でゲインツマミを上げていくともちろん歪んでしまうわけですが、歪んでいるかいないかのギリギリのところから歪ませられるところが素晴らしい。
歪み対策を放棄することで「歪んじゃった」状態へのハードルを激下げする感じですね。
アンプに無理をさせるのは危険ですから。
で、この歪みがまたいい。
ほんと「歪んじゃった」って感じの歪みです。
本物の真空管の歪みに近いかどうかは自分的にはどうでもよくて、アンサンブルでのベースのヌケ具合、音の輪郭、古臭さをコントロールするために歪ませる目的にはどこまでも絶妙に付いてきてくれるんですよ。
ただ、思いっきり歪ませたときの音はディストーションとしてはあまり好きな音ではありませんでした。
自分の音作りの手順は、まず歪み感を重視したい特定のフレーズを繰り返し弾きながら、ゲインツマミの調節。
EQが非常に優秀なので、そこから更に細かく質感を調節。
って感じです。
棹やピックアップによってゲインは違いますから、全然歪んでない〜ちと歪みすぎまで幅広く受け止めてくれるペダルじゃないといかんわけです。
このブログで紹介しているMike LullとAlleva-Coppoloでは出力にだいぶ差があるので、入力ゲインの受け止め幅はかなり大事な要素ですね。
重心が低くボトムを支えられる音も、アンサンブルの隙間を縫ってフレーズが前に出やすい音も、指/ピックの切り替えにも、全方向に対応できると思います。
古いロックっぽさというか、いなたさというか、アンサンブルから浮かずに混ざったり溶けたりする感じが非常に好みの「オーバードライブ」です。
もっとも、他に気に入ったオーバードライブがあったら非常に優秀なプリアンプ/EQとして使える(てかそっちが本来の使い方)ので、持ってて損はないですぜ。